親指の付け根が痛い原因は?治療方法も解説

2024.9.25 重要おすすめ記事

「手の親指の付け根が痛い」「曲げたり力を入れたりすると痛い」という方は、母指CM関節症を起こしているかもしれません。母指CM関節症はどのような症状で、どのような原因で起こるのでしょうか。

本記事では母指CM関節症の概要や原因、治療方法、親指の付け根が痛い場合に考え得るその他の疾患などを解説します。親指の付け根が痛いからといって必ずしも母指CM関節症とは限りませんが、痛みが続いたり腫れが出ていたりするのであれば、できるだけ早い対処が必要です。本記事を参考にして辛い痛みを改善しましょう。

小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。

目次

  1. 親指の付け根が痛い場合は「母指CM関節症」の可能性がある
  2. 母指CM関節症の原因
  3. 母指CM関節症の治療方法
  4. 親指の付け根が痛い場合に考え得るその他の疾患
  5. まとめ

親指の付け根が痛い場合は「母指CM関節症」の可能性がある

母指CM関節症とは、親指の付け根にある軟骨が何らかの原因ですり減り、痛みを感じてしまう疾患です。

親指の付け根には、CM関節と呼ばれる関節があります。関節の骨の表面には軟骨があり、クッションの役割をして関節の動きをサポートしています。しかし軟骨がすり減ってしまうと、骨同士が直接ぶつかってしまうため、親指の付け根に痛みを感じてしまうことがあります。

以下の動作で親指の付け根に痛みを感じる方は、母指CM関節症が起こっているかもしれません。

  • ビンの蓋を開けるとき
  • ものをつまんだとき
  • ドアノブを回すとき
  • タオルや雑巾を絞るとき
  • スマートフォンを使うとき
  • キーボードを打つとき
  • 爪切りを使うとき
  • 洗濯バサミを開くとき
  • 親指を曲げたとき
  • 親指の付け根を押したとき

初期は付け根に重だるい痛みを感じますが、進行していくと親指の付け根に力をかけた際にズキっとした痛みを強く感じるようになります。さらに進行すると親指の付け根の骨がズレてしまい、付け根が外側に、指の先端が内側に入って亜脱臼を起こし、手の形が変形してしまう可能性も高いです。

母指CM関節症が起きている場合、レントゲン写真を見て以下のように進行度合いを判断します。

  • ステージ1:レントゲン写真で異常は見られないが、手を使ったときに痛みを感じることがある。また靭帯が緩み、関節の隙間が正常時よりも少し広くなっていることがある。
  • ステージ2:軟骨がすり減って関節の隙間が正常時よりも狭くなっており、骨硬化が少し認められる。
  • ステージ3:軟骨がかなりすり減って関節の隙間が正常時よりもかなり狭くなっている。軟骨が消失しているケースもある。骨硬化や骨の異常増殖による骨棘の形成が認められることがある。
  • ステージ4:ステージ3よりもさらに関節の隙間が狭くなっていて、隙間が完全にない場合もある。骨棘の形成やはっきりとした関節の変形が認められる。

母指CM関節症の原因

母指CM関節症はどのような原因で起こるのでしょうか。代表的な3つの原因をご紹介します。

加齢

母指CM関節症の原因の一つは加齢です。

年齢を重ねると骨の新陳代謝がスムーズに行われにくくなり、関節軟骨は少しずつ減少していきます。減少した状態でも親指に力を入れたり動かしたりするため、負荷がかかってさらに軟骨がすり減ってしまい、母指CM関節症を引き起こすことがあります。

親指への大きな負荷

親指に大きな負荷がかかってしまうことも、母指CM関節症の原因の一つです。

普段「親指を使っている」と意識している方は少ないかもしれませんが、日常生活のさまざまな動作で親指を使っています。仕事や家事で親指を酷使し、付け根に大きな負担がかかってしまうと、軟骨がすり減りやすくなって、年齢にかかわらず母指CM関節症を引き起こす可能性が高いです。

また過去に骨折など親指にけがをしたことがある方も、母指CM関節症になってしまうことがあります。

女性ホルモンの減少

女性ホルモンの減少も、母指CM関節症の原因です。

女性ホルモンの一種である「エストロゲン」には、軟骨の柔軟性を維持し、健康な状態に保つ働きがあるとされています。そのため、閉経後に女性ホルモンの分泌が急激に減少すると軟骨がすり減りやすくなり、母指CM関節症を発症してしまう恐れがあります。

母指CM関節症の治療方法

母指CM関節症の症状を改善するには、できる限り親指を動かさないことが大切です。

症状が軽度の場合、親指の付け根に湿布を貼り、テーピングやサポーターで固定することで、症状の改善が見られる可能性があります。一定期間固定を続けても症状の改善が見られない場合は、消炎鎮痛剤を服用する投薬治療が行われることが多いです。それでも症状が改善しない場合は、関節にステロイド注射を行って症状の改善を目指します。

症状がかなり進行しており、亜脱臼や関節の変形が認められる場合は、手術を行うのが一般的です。「切除関節形成術」や「関節固定術」などがあります。

親指の付け根が痛い場合に考え得るその他の疾患

親指の付け根が痛い場合に考え得るその他の疾患には、以下のようなものがあります。

  • ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎):腱鞘炎の一種。手や手首の酷使によって起こる。
  • ばね指(弾発指・屈筋腱腱鞘炎):CM関節よりも指先に近い部分にあるMP関節に負荷がかかって起こる腱鞘炎の一種。
  • 手根管症候群:手首の神経の通り道である手根管(しゅこんかん)内を通る神経が圧迫されて痛みやしびれが起こる。
  • 関節リウマチ:関節の滑膜(かつまく)が異常増殖し、関節に炎症が起こる。
  • 骨折・脱臼:スポーツや事故で外部から強い衝撃を受けた際に起こる。

母指CM関節症の場合も他の疾患の場合も、ご自身で原因を見分けるのは難しいはずです。親指の付け根に異常を感じたら、整形外科や整骨院などで診てもらいましょう。

まとめ

本記事では母指CM関節症の概要や原因、治療方法、親指の付け根が痛い場合に考え得るその他の疾患などを解説しました。加齢や親指の酷使、女性ホルモンの増加などによって起こる母指CM関節症は、重症化すると親指の付け根が変形してしまい、手術をしなければならなくなる可能性もあります。他の疾患が原因のこともありますが、「おかしいな」と思ったらできるだけ早く整形外科や整骨院で相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

監修者:小林英健院長
株式会社KMC小林整骨院グループ 総院長 株式会社KMC小林整骨院グループ(所在地:大阪府八尾市 代表:小林英健)は、「小林整骨院」を1985年11月に大阪府八尾市で開業(現:あすなろ整骨院北本町)。現在では全国に48店舗展開し、全グループ院の延べ来院患者数は1350万人を超えています。「小林式矯正法 (旧名:スポーツ活法)」というトップアスリートの心身ともにサポートするための新療法を実施。治療できる領域の幅を広げて様々な治療経験を積むことで、すべての患者様・アスリートを癒し、スポーツ界や地域社会に貢献することを目指します。KMC小林整骨院グループ オフィシャルサイト(https://www.seikotsuin-kobayashi.com