肩こりに効く筋トレとは?自宅でできる簡単エクササイズと注意点
2025.10.20 肩こり肩こりに効く筋トレとは?自宅でできる簡単エクササイズと注意点
「長年、つらい肩こりに悩まされている」
「マッサージやストレッチをしても、その場限りですぐに戻ってしまう」
「デスクワークの後は、肩がガチガチに固まって動かない…」
多くの人が抱える慢性的な肩こり。その原因を「血行不良」や「筋肉の硬さ」だと考え、”ほぐす”ことばかりに目を向けていませんか?実は、そのしつこい肩こりの根本原因は、筋肉の“弱さ”、特に正しい姿勢を支えるための筋力不足にあるケースも少なくありません。
この記事では、なぜ筋トレが肩こり改善に効果的なのか、そのメカニズムを詳しく解説すると共に、運動が苦手な方や初心者でも自宅で簡単に始められる5つの厳選トレーニングをご紹介します。その場しのぎではない、”こりにくい体”を本気で目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
なぜ筋トレが肩こりに効果的なのか

肩こりの主な原因は、「姿勢の悪さ」「血行不良」「筋肉のこわばり」という3つの要素が複雑に絡み合って発生します。そして、筋トレにはこれらの悪循環を断ち切る3つの大きなメリットがあります。
血流改善効果
筋肉は、収縮と弛緩を繰り返すことで血液を送り出すポンプの役割を担っています。筋トレによって肩周りの筋肉を積極的に動かすことで、滞っていた血流が促進されます。これにより、筋肉内に溜まった疲労物質が排出され、新鮮な酸素や栄養が供給されるため、こりが和らぎます。
姿勢改善効果
肩こりの最大の原因である猫背や巻き肩は、背中や肩甲骨周りの筋肉が弱っているために起こります。筋トレでこれらの「支える筋肉」を鍛えることで、重い頭や腕を正しい位置でキープできるようになり、骨格が自然と正しいアライメントに整います。これが、肩への過剰な負担を減らす根本的な解決策となります。
代謝アップ効果
筋肉量が増えると、基礎代謝が向上します。体温が上昇しやすくなり、全身の血行が良くなるため、冷えからくる肩こりの改善も期待できます。こりにくいだけでなく、痩せやすく疲れにくい体質へと変化していきます。
デスクワークや猫背が肩こりを悪化させる理由

特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、頭の重み(約5~6kg)を支えるために、首から背中にかけて広がる僧帽筋や、その深層にある肩甲挙筋といった筋肉が常に緊張し続けます。この状態は、筋肉が力を入れたまま固まっている「静的収縮」であり、血流を著しく悪化させます。
さらに、肩を支えるべき肩甲骨周りの筋力が弱いと、この負担が僧帽筋などの特定のアウターマッスルに一点集中してしまい、慢性的なこりや痛みを引き起こすのです。
自宅で簡単!肩こり解消におすすめの筋トレ5選

ここでは、初心者でも無理なく始められる、肩こり解消に特化した5つのトレーニングをご紹介します。大切なのは、正しいフォームで、ゆっくりと、呼吸を止めずに行うことです。
① 肩甲骨はがしトレーニング
ガチガチに固まった肩甲骨周りの筋肉をほぐし、可動域を広げる基本のトレーニングです。
- 椅子に浅く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばします。骨盤を立てることを意識しましょう。
- 両手の指先を、それぞれの肩に軽く置きます。
- 息を吸いながら、両肘を胸の前で合わせるように近づけます。
- 息を吐きながら、両肘でできるだけ大きな円を描くように、ゆっくりと後ろに回します。肩甲骨が背骨に寄るのを感じましょう。
- この動作を、前回し・後ろ回し、それぞれ10回ずつ繰り返します。
ポイント: 常に呼吸を止めず、リラックスして行いましょう。肩甲骨の動きを意識することが重要です。
② タオルを使った肩ストレッチ+筋トレ
タオルを使うことで、肩甲骨周りの筋肉を効果的に刺激し、巻き肩の改善にもつながります。
- フェイスタオルの両端を持ち、腕を肩幅より少し広く開きます。
- 息を吸いながら、両腕をまっすぐ上に伸ばします。この時、肩がすくまないように注意しましょう。
- 息を吐きながら、肩甲骨を中央に「ギュッ」と寄せるのを意識して、タオルをゆっくりと頭の後ろに下ろしていきます。
- 無理のない範囲まで下ろしたら、再び息を吸いながら腕を上に戻します。
- この上下運動を10回繰り返しましょう。
ポイント: 腕の力だけで上げ下げするのではなく、肩甲骨の動きを最大限に意識することが効果を高める秘訣です。
③ 壁プッシュ(腕立て伏せの軽いバージョン)
肩や胸、腕の筋肉をバランスよく使い、正しい姿勢を保つための基礎筋力を養います。
- 壁から50cm〜1mほど離れて立ちます。壁からの距離が遠いほど負荷が上がります。
- 足を肩幅に開き、両手を肩幅より少し広く開いて、壁に手をつきます。指先はやや上向きにしましょう。
- 頭からかかとまでが一直線になるように、体幹に軽く力を入れます。
- 息を吸いながら、ゆっくりと肘を曲げ、胸を壁に近づけていきます。
- 息を吐きながら、壁を押してゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- この動作を10~15回繰り返します。
ポイント: 動作中は常にお腹に力を入れ、腰が反ったりお尻が突き出たりしないように注意しましょう。
④ チューブトレーニング(軽めのゴムバンド)
ゴムチューブの抵抗を利用して、自分では意識しにくい肩甲骨の内側の筋肉(菱形筋など)を効果的に鍛えます。
- トレーニングチューブの両端を持ち、両腕を前に伸ばします。
- 肘を90度に曲げ、脇を軽く締めます。手のひらは内側向き、または上向きにします。
- 息を吐きながら、肩甲骨を寄せることを意識して、両手をゆっくりと外側に開いていきます。この時、脇が開かないように注意しましょう。
- 限界まで開いたら、息を吸いながらゆっくりと元の位置に戻します。
- この動作を15回繰り返します。
ポイント: 強いチューブを使う必要はありません。軽い負荷で、正しいフォームでじっくりと効かせることが大切です。
⑤ ショルダーシュラッグ(肩すくめ運動)
椅子に座ったまま、仕事の合間にもできる簡単な血行促進トレーニングです。
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばします。両腕は体の横に自然に下ろします。
- 息を吸いながら、両肩をできるだけ高く、耳に近づけるようにゆっくりとすくめ上げます。
- 一番高い位置で2〜3秒キープします。
- 息を吐きながら、一気に力を抜いて「ストン」と肩を下ろします。
- この動作を10回繰り返します。
ポイント: 上げるときはゆっくり、下ろすときは脱力するのがコツです。緊張と緩和の繰り返しで、血行が効果的に促進されます。
筋トレ前後のケアと注意点

肩こり改善のための筋トレは、安全第一で行うことが重要です。以下の点に注意しましょう。
無理な強度は禁
最初は軽い負荷、少ない回数から始めましょう。特に、痛みが強い時や、動かすとズキッと痛む場合は、筋トレを行うべきではありません。
「痛み」と「張り」は違うサイン
トレーニング中に感じる「ピリッ」「ズキッ」といった鋭い痛みは、筋肉や関節を傷めている危険信号です。すぐに中止してください。一方、トレーニング後に感じる筋肉の疲労感や心地よい「張り」(筋肉痛)は、筋肉が使われた証拠なので心配ありません。
トレーニング後のクールダウン
筋トレ後は、使った筋肉を軽く伸ばすストレッチを行いましょう。筋肉の回復を助け、柔軟性を高める効果があります。
基本の生活習慣も大切
筋肉は、十分な睡眠(回復)、水分(循環)、栄養(特にタンパク質)があって初めて成長します。トレーニングの効果を最大限に引き出すためにも、バランスの取れた生活を心がけましょう。
整骨院で行う肩こり改善アプローチ

セルフケアは非常に重要ですが、自己流のトレーニングには限界やリスクも伴います。より安全かつ効果的に肩こりを根本改善したい場合は、専門家である整骨院を頼るのが賢明です。
筋肉の状態を正確に診断
どの筋肉が弱っていて、どの筋肉が過剰に緊張しているのか、プロの視点で正確に判断してもらえます。
土台となる骨格の調整
筋トレの効果を最大限に引き出すには、まず土台となる骨格が整っていることが大前提です。整骨院では、自分では気づけない姿勢の歪みを調整し、トレーニング効果が出やすい体に整えることができます。
正しいフォームの指導
自己流でトレーニングを行うと、間違ったフォームでかえって肩を痛めてしまうリスクがあります。専門家から、あなたの体に合った正しいフォームを直接指導してもらえるのは大きなメリットです。
小林整骨院のトータルケア
私たち小林整骨院グループでは、硬くなった筋肉を緩める「手技」、深層の痛みにアプローチする「電気治療」、そして弱った筋肉を鍛える「運動指導」を組み合わせ、”ほぐす・整える・鍛える”の三位一体で、肩こりの根本改善をトータルでサポートしています。
まとめ
つらい慢性的な肩こりは、マッサージで「ほぐす」だけでは、なかなか根本改善に至りません。大切なのは、弱ってしまった筋肉を「動かし、鍛える」ことで、正しい姿勢を支える力を取り戻すことです。
今回ご紹介したトレーニングは、どれも自宅で簡単にできるものばかりです。まずは無理のない範囲で、一つでも良いので継続することから始めてみてください。続けることで、あなたの身体は必ず変わっていきます。
ただし、痛みが非常に強い場合や、トレーニングによってかえって痛みが増す場合は、自己判断で続けず、早めに専門家へ相談することが大切です。小林整骨院では、あなたの身体の状態に合わせた最適なトレーニング指導も行っておりますので、お気軽にご相談ください。