野球肘の改善・予防が期待できるストレッチとは? 悪化させないためのポイントも解説
2025.9.10 スポーツ活法 , スポーツ障害 , 手・腕の痛み , 重要おすすめ記事 , 関節痛
投球練習を頑張る子どもや、日々指導にあたる監督・保護者の方にとって、「野球肘」は非常に身近な課題です。特に成長期の選手は、骨や関節が未発達なため、繰り返しの投球動作によって肘に負担がかかりやすくなっています。
肘に痛みがあっても「そのうち治るだろう」と我慢してしまう選手も少なくありません。しかし、症状を放置すると悪化し、長期離脱や手術が必要になる場合もあります。
この記事では、野球肘の原因や症状を解説し、予防や改善に役立つストレッチ、注意すべきポイントについて紹介していきます。少しでも早く痛みから解放され、安心してプレーを楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてください。
小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。
目次
- 野球肘とは?原因と主な症状
- 野球肘の改善・予防にストレッチは有効?
- 野球肘の予防や改善におすすめのストレッチ方法
- 野球肘を悪化させないためのポイント
- まとめ:正しいストレッチとケアで野球肘の悩みとさよならしよう
野球肘とは?原因と主な症状

野球肘とは、特に投球動作を繰り返すことで肘関節に大きな負担がかかり、炎症や障害が起こるスポーツ障害の一つです。小中学生などの成長期の選手に多く見られます。
主な原因は以下の通りです。
- 投げ過ぎ(オーバーユース)
- 正しくないフォーム
- 体の柔軟性や筋力不足による投球動作の崩れ
野球肘は、痛みが出る部位に応じて大きく以下の3タイプに分類されます。
内側型 | 肘の内側に痛みが出るタイプ。内側側副靱帯に負担がかかるケースが多く、最も一般的です。 |
外側型 | 肘の外側に痛みが出るタイプ。成長期では離断性骨軟骨炎(関節軟骨の一部が骨からはがれる障害)になることもあります。 |
後方型 | 肘の後ろ側に痛みが出るタイプ。骨と骨がぶつかることで炎症や変形が起こるケースです。 |
これらの症状は初期の段階で対処すれば改善が期待できますが、悪化すると手術が必要になる場合もあります。早期発見と適切なケアが重要です。
野球肘の改善・予防にストレッチは有効?
野球肘を予防・改善する上で、ストレッチは非常に有効です。特に投球動作で負担がかかりやすい肘や肩、前腕の筋肉・関節の柔軟性を保つことは、肘への過剰な負荷を避ける上で重要なポイントとなります。
野球肘の原因の一つに、筋肉や関節の硬さがあります。関節の可動域が狭い状態で無理に投球を繰り返すと、肘への負担が蓄積され、炎症や損傷が起こりやすくなるのです。
ストレッチは次のような効果が期待できます。
- 投球に使う筋肉や腱の柔軟性向上
- 可動域の拡大による投球フォームの安定
- 練習前後のコンディション調整(ウォームアップ/クールダウン)
肩甲骨周辺や前腕屈筋群のストレッチなど、部位ごとに適した方法を取り入れることで、より高い予防効果が期待できます。
ただし「ストレッチさえすれば大丈夫」という考えは危険です。過度な練習や不調の放置は避け、早めの対応を心がけましょう。
野球肘の予防や改善におすすめのストレッチ方法

ここでは、肘周辺の筋肉をほぐすことで、野球肘の予防や改善につながるストレッチ方法を2つ紹介します。
主根屈筋のストレッチ
主根屈筋は、投球動作において手首のスナップを効かせる役割を持ちます。ここが硬くなると、肘の内側や前腕部分に痛みが出やすくなります。運動の前後にストレッチを行い、筋肉の柔軟性を保ちましょう。
具体的なやり方は次の通りです。
- 片腕をまっすぐ前に伸ばし、手のひらを上に向ける
- 反対の手で、前に出した手の指先を持ち、ゆっくりと体の方へ引っ張る
- 前腕の内側が伸びている感覚を意識しながらしばらくキープする
- 反対の腕も同様に行う
円回内筋のストレッチ
円回内筋は、肘の内側から前方にかけて走る筋で、前腕をひねる動きを担っています。硬くなると痛みの原因となるため、小まめに筋肉をほぐすようにしましょう。
具体的なやり方は以下の通りです。
- 片腕を胸の前に出し、肘を軽く曲げておく
- 反対の手の親指で前腕内側の硬く感じる筋肉を軽く押さえる
- 抑えた状態のまま、前腕を内側・外側にゆっくり回す
- 反対の腕も同様に行う
野球肘を悪化させないためのポイント

野球肘の痛みを感じたときに、無理して投球を続けてしまうと症状がさらに悪化する恐れがあります。大切なのは、できるだけ早く異変に気づき、正しい対応を取ることです。
まず、肘に痛みが出たら投球動作をすぐに中止しましょう。無理をせず安静に過ごし、必要に応じて休養期間を確保することが大切です。症状が軽度の場合でも、投球制限を設けることで悪化を防げるケースがあります。
また、痛みや炎症がある場合は、アイシングを行うことで症状の緩和が期待できます。アイスパックや保冷剤をタオルで包み、肘に15〜20分ほど当てるとよいでしょう。ストレッチと併用することで、回復をサポートする効果が高まります。
注意したいのは、痛みが数日以上続く場合や腫れが強い場合には、自己判断で対処せず、整形外科や整骨院などの専門機関を受診することです。特に子どもは我慢してしまうことも多いため、保護者や指導者が早めに異変に気づき、対応することが重要です。
まとめ:正しいストレッチとケアで野球肘の悩みとさよならしよう
野球肘は、投球のし過ぎやフォームの乱れ、体の硬さなどが重なって生じることが多いスポーツ障害です。しかし、正しい知識と日頃のケアによって、予防や改善が十分に可能です。
本記事では、野球肘の原因や主な症状、効果的なストレッチ方法、悪化させないための基本的な対処法について解説しました。中でもストレッチやアイシングを日常的に取り入れることは、肘への負担を軽減し、長くプレーを続ける上で欠かせないセルフケアの一つです。
「ちょっと痛むけど、我慢すれば大丈夫だろう」と思わず、異変を感じたら無理をしないことが大切です。早めに対処することで、競技への影響を最小限に抑えることができます。
なお、セルフケアだけで不安な方や、すでに痛みが強い方は、専門家のサポートを受けるのも選択肢の一つです。例えば、小林整骨院では、スポーツ障害に特化したケアを行っており、地域に根ざした丁寧な施術を提供しています。予約制で待ち時間も少なく、初めての方でも安心して相談できます。
体の違和感を放置せず、自分に合ったケアを見つけていきましょう。小さな対策の積み重ねが、大きなけがの予防につながります。