手のつぼが痛いのはなぜ?痛む箇所から分かる体の状態とは?

2025.7.23 手・腕の痛み , 重要おすすめ記事
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手にはさまざまなつぼが集まっており、つぼを押してみて痛いと感じる場合、体のどこかが不調をきたしている可能性があります。

本記事では、手にあるつぼの種類や場所、痛みを感じるつぼから分かる体の状態について解説します。ぜひ参考にしてください。

小林整骨院では、身体のさまざまなお悩み・ご質問等の相談も承っていますのでお気軽にご相談下さい。

目次

  1. 手のつぼと体の健康の関係とは?
  2. 手のつぼの痛みから分かる体の状態
  3. つぼ押しの効果を高める工夫
  4. まとめ

手のつぼと体の健康の関係とは?

つぼは古く中国から生まれた治療方法です。東洋医学においては、2,000年以上に渡ってつぼを使った治療が行われており、その効果はWHO(世界保健機関)にも認められています。

東洋医学では、体のさまざまな機能を正常に保つために「気」と呼ばれるエネルギーが体内を巡っていると考えられています。このエネルギーの通り道を「経絡(けいらく)」といい、経絡に沿って体の表面に存在するポイントが「経穴(けいけつ)」です。この経穴が、一般的に「つぼ」と呼ばれている場所です。

つぼを押すことで、気の流れがスムーズになり、経絡でつながっている臓器や脳に刺激が伝わり、不調の改善につながる

手のつぼの痛みから分かる体の状態

手にはさまざまなつぼが集まっており、指圧により痛みを感じる箇所により、心身にどのような不調をきたしているのかが推測できます。次のつぼに痛みがある場合、心身の不調が発生していると考えられます。

  • 労宮(ろうきゅう)
  • 魚際(ぎょさい)
  • 後渓(こうけい)
  • 合谷(ごうこく)
  • 腰腿点(ようたいてん)

実際につぼを刺激して、痛むかどうかを確認してください。

労宮(ろうきゅう)の痛み

手のひらにあるつぼの一つが労宮です。手のひらの真ん中よりやや上、中指と薬指の骨の間に位置します。軽く手を握り、中指の先端が手のひらに当たるところが目安となります。労宮を押すと痛い場合に考えられる症状は次の通りです。

  • 緊張状態にある
  • 気持ちが落ち着かない
  • 精神状態が乱れぎみ
  • 倦怠感がある
  • 怒りを感じる
  • 憂鬱に感じる
  • 胸が痛い
  • ストレスで眠れていない
  • ストレスでかゆみを感じる

労宮は、親指を使ってやや強く指圧してください。5秒程度押してゆっくり離すのを両手とも5回繰り返しましょう。

魚際(ぎょさい)の痛み

魚際は、手のひら側の親指の下、少し膨らんでいる場所にあります。手のひらと手の甲の境目にあり、具体的には親指の第二関節下の凹んでいるところが魚際です。手のひらの膨らみが魚の腹に似ていること、膨らみの際につぼがあることから、魚際と呼ばれています。

魚際を押したら痛い場合には、次のような状態と考えられます。

  • 咳が出る
  • 発熱している
  • のどが痛い
  • 喘息症状が出ている
  • 頭が痛い
  • 首や肩が凝っている
  • 目が疲れている
  • 鼻水が出る
  • 花粉症の症状が出ている
  • お腹が張っている
  • 動悸、不安を感じる
  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ

つぼがある手の反対側の手を使いつぼを指圧しましょう。親指の腹を使い5秒程度の指圧を7回程度繰り返せば、不調の改善に効果が期待できます。

後渓(こうけい)の痛み

後渓は、小指の付け根の側面にある小さな骨が出っ張った部分にあるつぼです。握りこぶしを作った際に、小指の付け根部分にできるしわの縁の辺りにつぼがあります。

後渓を指圧して痛みがある場合、次のような状態と考えられます。

  • 筋肉が緊張状態にある
  • 筋肉が痛い
  • 肩や首が凝っている
  • 頭が痛い
  • 目が疲れている
  • メンタルの不調を感じる

手の側面に向かって垂直につぼを指圧しましょう。

合谷(ごうこく)の痛み

合谷は、手の甲側にあるつぼの一つです。手の甲側の人さし指付け根からなぞり、親指の骨が当たる場所にあるつぼです。人さし指側に向かって押した際に、少し痛いところが合谷となります。万能のつぼと呼ばれるほど、さまざまな効果を期待できるつぼです。そのため、押した際に痛がる方が多いつぼでもあります。

合谷を押したら痛い場合、次のような状態であると考えられます。

  • 歯が痛い
  • 筋肉が緊張状態にある
  • 肩が凝っている
  • 腰が痛い
  • 手が痺れる
  • 手が痛い
  • 高血圧
  • 花粉症

合谷は、親指の腹を使いつつ、親指以外の指を軽く握りながら指圧しましょう。

腰腿点(ようたいてん)の痛み

腰腿点は、腰痛点とも呼ばれるつぼです。人さし指と中指、また薬指と小指、それぞれの骨の間にあります。それぞれ骨の間を手首に向かってなぞり、引っ掛かりがある場所に腰腿点があります。片手で2カ所、両手で4カ所あります。

腰痛点とも呼ばれており、文字通り腰痛がある際に痛みを感じやすいのが特徴です。ぎっくり腰のような強い痛みでも、腰腿点へのアプローチにより腰痛を緩和できるケースがあります。

親指を使い、つぼを1カ所ずつ、1分程度押し続けるのがコツです。両手の合計4カ所を5回ずつほど指圧すれば、腰の痛みを和らげられるでしょう。

つぼ押しの効果を高める工夫

つぼ押しの効果を高めるには、リラックスした状態で押すのが効果的です。例えば、入浴後のくつろいでいる時間は、つぼ押しの効果が高まりやすいです。また、つぼ押しには安眠効果も期待できるため、寝る前につぼを押すのも良いでしょう。

つぼの押し方は、指圧して程よく気持ちよさを感じる場所を探して、軽めに刺激するのが基本です。ただし、押す場所によって強さを変えるのもおすすめです。親指で押したり、ペンで押したりすれば、つぼに強い刺激を与えられます。また、体の痛みや不調が強いときや、体をリラックスさせたいときは、3本指(人さし指・中指・薬指)の腹で撫でると良いでしょう。

なお、飛び上がるほど痛みを感じるような刺激は避けるべきです。あくまでも、心地よさを重視してください。

まとめ

つぼは東洋医学に基づく体調管理の一手法であり、気の巡りや自律神経にも影響を与えるとされています。特に手には多くのつぼが集まっており、つぼを押したときの痛みから、体の不調を知る手掛かりになります。日々のセルフケアとして、つぼ押しを取り入れることで、心身のバランスを整える効果が期待できます。痛みを感じた場合は、無理をせず休息に努めましょう。

監修者:小林英健院長
株式会社KMC小林整骨院グループ 総院長 株式会社KMC小林整骨院グループ(所在地:大阪府八尾市 代表:小林英健)は、「小林整骨院」を1985年11月に大阪府八尾市で開業(現:あすなろ整骨院北本町)。現在では全国に48店舗展開し、全グループ院の延べ来院患者数は1350万人を超えています。「小林式矯正法 (旧名:スポーツ活法)」というトップアスリートの心身ともにサポートするための新療法を実施。治療できる領域の幅を広げて様々な治療経験を積むことで、すべての患者様・アスリートを癒し、スポーツ界や地域社会に貢献することを目指します。KMC小林整骨院グループ オフィシャルサイト(https://www.seikotsuin-kobayashi.com